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猫の水虫「皮膚糸状菌症」とは?

2020年05月18日

猫の身体に円形脱毛や脱毛部のかさぶたが見られたら、猫白癬の疑いがあります。猫の水虫である猫白癬の原因菌は、カビに分類される皮膚糸状菌であるため猫カビという別名もあります。体表面の多くが毛で覆われているため、皮膚糸状菌が猫の皮膚に感染した場合、患部には円形脱毛や脱毛部のかさぶたが見られるのが主な症状です。かゆみが生じることもあるため、しきりに身体をかいていたり抜け毛が増加したら皮膚の状態を観察してみましょう。

また爪が変形し、白色や黄色に変色している場合は爪真菌症の疑いがあります。爪真菌症は爪甲や爪床、もしくはその両方に感染する症状です。皮膚が異常に乾燥していたり、フケが増えた場合は脂漏症である可能性が高いです。皮膚の新陳代謝が高まったことにより全身の皮脂腺の分泌が過剰になったり、皮膚の硬質化が先鋭化する症状であり、こちらも皮膚糸状菌が原因で発症します。

脂漏症はフケの多い乾性脂漏と、皮膚が粘性を帯びる湿性脂漏の2種類が存在します。後者は皮膚より悪臭がするため、猫の体臭がきつくなった時も同様に皮膚をよく観察してください。脂漏症は皮膚糸状菌だけでなく他の細菌や寄生虫、アレルギーや栄養の偏りなどでも発症するため原因が特定しにくいという特徴も持っており注意が必要です。

猫や犬に感染する皮膚糸状菌の中で、特に警戒しなければならないのはミクロスポルム・カニスです。動物好性菌の一種であり、さまざまな動物に感染します。ミクロスポルム・カニスが厄介な点は、感染した動物に触れると人間に感染するという点です。通常はヒト同士、動物同士でしか感染しませんがこの菌のように稀にどちらにも行き来する菌が存在します。動物から人間に感染することで発症するのは体部白癬が多く、この状態になれば人間と動物のどちらも治療が必要です。

主な感染経路は、公園や衛生状態の悪いトリミングサロンなど動物同士が触れ合う機会の多い場所です。人間同士と同様に、動物もお互いに触れ合うことで感染します。完全に室内でのみ飼育している場合は感染する確率が低いですが、窓を開けて出入りを自由にさせている場合は感染経路が必然的に多くなるため注意が必要です。

多頭飼育している場合は、一匹の猫に感染の疑いが見られた際には、他の猫と隔離してください。子猫や持病を持っている猫は特に免疫力が低く、罹患しやすいため特に注意しましょう。

罹患した場合の対処法としては、患部の毛を剃って薬を塗り定期的に薬用シャンプーで殺菌する方法が挙げられます。菌は毛に付着することが最も多く長毛種の方が感染率が高いため、長毛種は日頃から毛の手入れや洗浄をして清潔に保つことが重要です。猫は身体が柔らかく舌でかゆい所をなめてしまうため、症状が転移したり塗り薬をなめとってしまう可能性もあります。この場合の対処法としては、舌が届かないように首にエリザベスカラーを装着することです。

治療を続けて1ヶ月程度経過しても効果が見られない場合は、内服薬に切り替えます。基本的には獣医の診断を受けつつ、指示に従って治療を施しましょう。